最終更新日 2026年9月4日
最近、自分の中で「まずAIに聞いてみよう」が、ずいぶん増えたように感じます。
仕事で分からないことがあったとき。資料を探すとき。文章を考えるとき。何か新しいアイデアが欲しいとき。
以前なら、自分で考えたり、検索したり、誰かに聞いたりしていた場面で、気がつけば最初に生成AIを開いている。
AIが答えを出してくれること自体には、もうそれほど驚かなくなりました。
むしろ最近、私が少し気になっているのは、AIが私たちの「考え始める場所」になりつつあることです。
そして先日、それが仕事だけではないことに気づきました。
きっかけは、妻との旅行の相談でした。
以前なら、本屋で旅行雑誌を眺めたり、「最近どこか行ってよかった?」と誰かに聞いたり、あちこち検索して比べたりしていたはずです。
効率だけで考えれば、実に、無駄の多い時間です。
でも、その遠回りは、本当にすべてなくしてよいものなのでしょうか。
人材育成の仕事に20年以上携わってきた自分自身を振り返っても、一見非効率だった経験から学んだことが少なくありません。
雑用、下積み、飛び込み営業。
足を棒にするほど歩き回ったこともあります。
決して効率的な仕事の進め方ではありません。
ところが、「こんなきつい仕事、いつまでも続けたくない」と思ったからこそ、どう話せば聞いてもらえるのか、どうすれば成果が出るのか、自分で考え、工夫するようになりました。
非効率だったからこそ、考えざるを得なかったのです。
振り返ってみれば、遠回りや失敗、うまくいかなかった時間の中で、考えたり、工夫したり、自分自身を知ったりした経験は、意外に多いものです。
と考えてきました。
意志力だけでは続かないことを、仕組みや習慣化の設計によって支える。
生成AIもまた、人間の弱さを補い、可能性を広げてくれる強力なパートナーになり得ます。
遠回りする。
株式会社アイル・キャリア代表取締役。
2006年の創業以来、企業・自治体の人材育成に携わり、研修・人材開発の現場に立ち続けています。
自身も一つの研修との出会いによって人生が大きく変わった経験から、
「人には可能性がある」ことを人材育成の原点としてきました。
20年間の実践を通じてたどり着いたのは、学びを一過性のものにせず、
人と組織が変わり続けるためには、意志や熱意だけではなく「仕組み」が必要であるという考えです。
現在は、AI時代だからこそ大切にしたい人間らしさと、
一人ひとりの持ち味や可能性を活かす人材開発を追究しています。