2025年、
グローバルな人材開発のトレンドは、
急速に進化しています。
AIやデータを活用した学習が主流になる一方で、
対面での集合研修や人間同士の関わりが持つ
「学びの本質的な価値」も再評価されています。
企業や自治体の研修担当者が今考えるべきは、
「テクノロジーと人間力をいかに融合させ、
効果的な学習環境を提供するか」という点です。
世界的な人材育成の潮流は、以下の3つに集約されます。
変化の激しい時代において、リーダーには「決まった型」ではなく
「柔軟な対応力」が求められます。
トップダウン型のマネジメントではなく、チームの力を引き出し、
変化に適応できるリーダーを育成することが急務となっています。
個人が主体的にキャリアを築き、
組織と協力しながら成長することが求められています。
電通総研の調査では、自律型人材とは、
「業務のプロセスを自ら決めて実行できる人材」であると同時に、
「組織との一体感を持ち、チームと協力しながら成果を出せる人材」
と定義されています。
社員一人ひとりの特性やニーズに応じた
柔軟な学習プログラムが求められています。
個々のキャリア目標やスキルレベルに応じた教育を提供し、
学習意欲を高めることが重要です。
今日の学習環境では、研修を「業務と切り離されたもの」としてではなく、
「日々の業務に組み込む」ことがトレンドとなってきています。
これにより、学習の定着率が向上し、実践的なスキルアップが可能になります。
また、AIを活用した学習も欠かせませんが、
eラーニングのような「一方通行型の学習」は、
受講者が飽きやすいという課題があります。
そのため、学習体験の向上がキーワードとなり、
以下のような取り組みが求められています。
・AIを活用した個別最適化学習(個人の理解度に応じた学習内容の調整)
・ラーニングマップの活用(スキルマップと連動し、必要な学習を可視化)
・アウトプット重視の学習デザイン(実践・フィードバックの機会を増やす)
デジタル化が進む中でも、集合研修が持つ価値は、
依然として大きいものがあります。
特に以下の点が再評価されています。
オンラインでは得られない「対話の中での気づき」や
「直接的なフィードバック」が、学習の質を向上させます。
AIが補完できない「共感力」「傾聴力」「リーダーシップ」
「チームワーク」などは、対面での学びを通じて磨かれます。
3.エンゲージメントの向上
一緒に学ぶ仲間とのつながりが、
組織文化の形成や社員のモチベーション向上につながります。
テクノロジーが発展するほど、
「人間だからこそできること」が際立ち、
それを育成する場として集合研修の意義が高まっています。
経済産業省の「人的資本経営」のフレームワークでは、
以下の視点が強調されています。
また、これを実現するために重要な要素として、
リスキル・学び直し、エンゲージメントの向上、
柔軟な働き方の推進などが挙げられています。
人材育成では、世代ごとの特性に応じたアプローチが求められます。
これにより、各世代の強みを活かしながら、
組織全体の成長につなげることが可能になります。
デンソーの事例では、AIを活用し、社員のキャリア状態を可視化。
個々の状況に応じたアクションを提案する仕組みを導入しています。
AIの提案を人事・研修担当者が吟味することで、
短期間で効果的な育成プランを作成できるようになっています。
また、
アステラス製薬では「アウトプット・フィードバック型学習」を採用し、
受講者が自律的に学べる環境を構築しています。
2025年度以降、企業・自治体の研修担当者が考えるべきは、
「テクノロジーと人間力の融合」です。
テクノロジーの進化が「当たり前」となった今こそ、
人材育成において重要なのは、「人間が持つ力をいかに引き出すか」です。
企業・自治体は、
これを実現するための新たな人材育成戦略を考えるべき時期に来ています。
株式会社アイルキャリアは、お客様ごとに抱える課題や目標に合わせたオーダーメイドプログラムで”学び”を提供する研修会社です。官公庁・自治体から上場企業、医療法人や学校法人まで様々なお客様に対して、ご要望と時流をふまえた必要な”学び”を、新人から管理職まで幅広く提供し、組織の人材育成を支援しております。特徴としては、その研修で達成したい目標(行動変容)の先にある成果、パフォーマンス(行動変容の結果得らえるもの)までを意識してプログラムを作成することにあります。