人手不足やDX化などによって、近年では、従来にも増して、成果物に対してかける時間、スピードが求められています。言い換えれば、スピーディーに仕事をこなせる人はビジネスパーソンとして市場価値が高いということです。
今回は、必要とされる人材になるための「スピード仕事術」の身に付け方を、仕事の進め方から生活習慣まで幅広く紹介していきます。
「仕事はスピードが命」というフレーズを耳にしたことがある人も多いでしょう。仕事の速さは仕事の評価基準の1つに含まれます。報連相や納品などのレスポンスが遅いと、相手に不快感を与えてしまい、仕事の質が高くても低い評価しか受けられないことも珍しくありません。また、1つの業務にじっくりと時間をかけて取り組むと、時間をかける分だけ相手の成果物に対する期待値を上げてしまうことにつながります。与えられた時間よりも早めに仕事を終わらせることを常日頃から心がけましょう。
仕事のスピード向上のためには、いくつかのテクニックがあります。まずは、下記6つのポイントを意識しながら仕事や業務に取り組むことで、劇的に仕事のスピードアップが図れるでしょう。
始業開始後、まずはその日のタスクを確認し、スケジュールを立てましょう。行き当たりばったりで業務を行うとモレや納期遅れなどがおこり、結果的に仕事のスピードが落ちてしまいます。1日の時間配分を決めるには、おもに、以下5つの点を意識すると良いでしょう。
また、新しく仕事が発生した際にも、都度、スケジュールの全体観をもちながらスケジュールの見直しを図ることが望ましいです。
スケジュールを管理するためには、タスクの分析が必要不可欠です。特に、タスクの難易度や完了するために想定される時間をおおまかにでも把握しておかないと、予定通りに仕事が進まず、スケジュール変更を余儀なくされてしまうことが出てきます。タスクの難易度が高かったり、完了するために多くの時間を必要とする場合は、タスクの細分化、スモールタスク化することで取り組みやすくなります。
リストアップしたタスクに優先順位をつけます。優先順位の高さは、「納期の近さ」だけではありません。下記のように「重要性」と「緊急性」の2軸でとらえ、4つのカテゴリに分けて取り組むことがおすすめです。
複数のタスクを抱えていて全てのタスクを納期内に終えられそうもない場合は、「重要性も緊急性も低いタスク」は断ったり、「やらない」と決断したりすることも必要です。
私たちは、ついつい面倒な仕事や気分が乗らない仕事を後回しにしてしまうものです。しかし、それらを後回しにしてしまうとタスクがどんどん溜まってしまい、スケジュールに影響を及ぼすことがあります。先延ばしする習慣をやめて、優先順位あるいはスケジュールに則って業務にあたることを基本にしていきましょう。面倒な仕事や気分が乗らない仕事に取り組む際は、スモールタスク化、スモールステップで進めてみましょう。少しづつでも仕事が進んでいる実感はいつしか達成感を与え、徐々に、やる気に繋がることもあるものです。
人は与えられた時間を目一杯使ってしまう「パーキンソンの法則」という心理があります。期限のない仕事、余裕のある仕事は、いたずらに時間を使ってしまうことになるため、タイマーやストップウォッチといったツールも使いながら、自ら目標時間を設定し、タスクに取り組むようにしましょう。時間内に完了できたら自分にご褒美を与えるなどすれば、おのずとスピーディーに取り組む習慣が身に付くでしょう。
また、制限時間を設けて業務に取り組むことで集中力が発揮され、質の高い成果をあげることができるというメリットもあります。
理由も分からず返信を待たされることは相手を不安にさせてしまいます。場合によっては、人間関係や信頼関係にヒビが入ることもあるため、注意が必要です。そのため、メールやチャットのレスポンスは、出来るだけ早く返信することを心がけましょう。1つの目安としては、1日以内に返信しましょう。どうしても返信に時間がかかる場合は、返信を放置するのでなく、「いつ」返信できるようになるのかを相手に知らせておくことをおすすめします。
前章では仕事のスピードを上げるためのテクニックを6つ紹介しました。仕事のテクニック以外にも、日々のちょっとした心がけが仕事のスピードを劇的に向上させることもあります。
特に、下記5つは仕事のスピードを上げるためにおすすめの生活習慣です。
起床時間と就寝時間を決めている人は、日ごろ仕事やプライベートのスケジュールもそつなくこなす傾向があります。それは、毎日同じ時間に寝て起きることで生活のリズムも体調も整い、1日にどの位のことが出来るか、時間の目安が自然につくからです。また、日中に最高のパフォーマンスを発揮するためにも睡眠時間をしっかりと確保することは、とても大切なことです。人や年齢によっても異なりますが、理想の睡眠時間は6〜8時間となっています。
日々のスケジュールを考える際に、自分に必要な睡眠時間、そして起床と就寝の時間をできる限り決めておきましょう。
デスク周りが乱雑で、未処理の書類と処理済みの書類が混在していると、必要な書類を探すのに時間がかかります。また、デスク周りにある不要なモノがノイズになり、発想や思考力が乱れて集中力が低下し、業務のスピードが落ちてしまうでしょう。そのため日常的に使用するものと、ほとんど使用しないものに分けてデスクを整理整頓することが大切です。これはオフィスのデスクだけでなく、パソコンのデスクトップやフォルダについても同様です。
デスクの様子はその人の頭の中を表すと言われています。普段から整理整頓を心がけ、常にスッキリとした状態で頭をクリアにしてタスクに取り組むようにしましょう。
意欲をもって仕事に取り組むことは大切ですが、あまりにも、仕事に精を出しすぎてプライベートを疎かにしてしまうとストレスや疲労につながります。そのような生活が長く続くと、本来、自分がもっている能力を十分に発揮できなくなったり、パフォーマンスやスピード感にも影響が出てきてしまう可能性があります。
そのため、ワークライフバランスを意識したり、意識的に息抜きの時間を取ったりすることをおすすめします。オンとオフのメリハリが、明日の仕事への活力を生むことに繋がることも多々あります。
仕事のスピードを向上させるためには、自分のスキルや知識を定期的にアップデートさせることも大切です。そのため、勤務時間外にスキルアップするための勉強や自己啓発の時間を確保しましょう。勉強には下記のようにさまざまなやり方があります。
業務外で自分のスキルや知識を身につけるための自己投資をすることは、仕事のスピードを上げるだけでなく、昇進や給与アップにもつながるでしょう。
ついついスマホをいじってしまい、多くの時間を浪費した経験を持つ人は少なくないでしょう。せっかく集中して仕事に取り組んでいても、スマホの通知ひとつで集中力が途切れてしまうことはよくあることです。カリフォルニア大学の研究によると、一旦集中力が切れてしまうと再び深く集中するまでに23分もかかると言われています。
お客様からの連絡が来る場合などを除いては、スマホの電源を切って業務に取り組むことをおすすめします。
今回の記事では、仕事のスピードを向上させるためのテクニックと生活習慣の一部を紹介しました。仕事のスピードを上げるためには、自身の能力を向上させることが王道となりますが、生活習慣を見直したり、今回ご紹介したテクニックを必要に応じて活用することも視野に入れてみましょう。今回の記事を参考にしながら、まずはできることから始めていきましょう。
株式会社アイルキャリアは、お客様ごとに抱える課題や目標に合わせたオーダーメイドプログラムで”学び”を提供する研修会社です。官公庁・自治体から上場企業、医療法人や学校法人まで様々なお客様に対して、ご要望と時流をふまえた必要な”学び”を、新人から管理職まで幅広く提供し、組織の人材育成を支援しております。特徴としては、その研修で達成したい目標(行動変容)の先にある成果、パフォーマンス(行動変容の結果得らえるもの)までを意識してプログラムを作成することにあります。