日々、多忙なビジネスパーソンにとって重要なビジネススキルの一つとして挙げられるタイムマネジメント。そのスキルを身につけるには、タイムマネジメント研修の受講が役立ちます。しかし、タイムマネジメント研修に関する情報が体系的に整理されているコンテンツは少ないのが現状です。本記事では、国や自治体、企業の研修担当者の方向けに、タイムマネジメント研修の意義や、詳細な内容について解説いたします。
タイムマネジメント研修は、タイムマネジメントの手法や考え方について学ぶ研修です。仕事・時間の管理の方法やフレームワークはもちろん、やる気(モチベーション)がもたらす影響についても理解を深めます。多角的な視点で効率的な仕事の進め方について知り、限られた時間内で最大限の成果を出すことを目指します。
タイムマネジメントが求められる背景には、現代、日本が抱えるさまざまな課題があります。働き方改革が進み、長時間労働が短縮しつつある一方、少子高齢化の影響で生産年齢人口は着実に減少しています。また、テレワークの普及によって、人事評価の評価軸は働いた時間ベースから、生み出した成果ベースでの評価軸に移行しています。
このように、働く人を取り巻く環境は急速に変化しており、何をやるのか、何をやらないのかをシビアに判断し、対応しなければならない時代が訪れています。時間当たりの生産性を高め、成果や業績を上げていくためにも、時間の効率的な使い方を学ぶタイムマネジメント研修の受講が必要です。
タイムマネジメント研修の最大の目的は、働く人たち一人ひとりが、「より良く働き、より良く生きる」ことの実現にあります。組織は、おもにスタッフ、プレイングマネージャー、管理職の3つの層に分かれており、それぞれが果たす役割は異なります。個々の立場に合わせた「適切な」タイムマネジメントの手法を学ぶねらいもあるでしょう。
また、研修を通して、効率化を図るべきものと図ってはいけないものを理解することも重要です。
スタッフ向けタイムマネジメント研修の目的は、決められた時間内で成果を出せるようになることです。1日24時間という与えられた時間の中で、いかに効率よく仕事を進めるかがポイントです。
研修では、個人で実現できる手法・工夫を中心としつつ、周囲も巻き込むようなノウハウについても学びます。時間管理や仕事管理、ワークライフバランスの実現に向け、テクノロジーを活用した業務効率化の必要性を知ることも重要です。
タイムマネジメントに関する個人の取り組みを、チームあるいは部署全体に波及させるためには、マネジメント側が主体的に活動する必要があります。
プレイングマネージャー・管理職向けの研修は、部下一人ひとりが「決められた時間内で成果を出せる」「特定の部下に業務が偏り過ぎないようにする」ための業務割り振りや指示を出せるようになるのが目的です。例えば、既存業務フローの見直しや、属人的なノウハウをまとめ、組織全体で共有する方法などを学びます。
また、DXによる業務効率化に対応するため、テクノロジーの活用を前向きに捉えられるようなリスキリングも大切です。
タイムマネジメント研修で得られる効果は、一言で言うと「時間あたりの生産性が高まることです。では、「時間あたりの生産性が高まる」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。続いては、タイムマネジメント研修による効果を具体的に見ていきましょう。
複数のタスクを抱える中でも、どのタスクの優先順位が高いのか、後回しでも問題ないタスクは何か、ということを瞬時に判断することができます。優先順位の見極めだけでなく、それぞれのタスクにかかる時間の見積もりや、必要なツール・協力者の工数の計算などもできるようになります。
無意識の中に潜むムリ・ムダ・ムラを「見える化」し、把握する重要性を学ぶことができます。また、時間の使い方に関する自分の癖やパターンを知ることで、良いパターンは活かし、悪いパターンは改善するなど、自己管理のポイントも得られます。
イギリスの歴史学者、政治学者であったパーキンソンは、自身が提唱した「パーキンソンの法則」の中で「人は、与えられた時間を目一杯使ってものごとを進めようとする」と指摘しています。私たちは、複数のタスクがあった場合、期限が先のものをつい先延ばしにしてしまいがちです。
「パーキンソンの法則」を踏まえると、重要なタスクを後回しにせず、少しずつでも取り組んでいくには、自分の中の無意識を意識し、顕在化することが大切です。タイムマネジメント研修では、そのためのマインドとコツを得ることができます。
仕事の進め方に関する、代表的なフレームワークが身につきます。また、担当講師が経験から会得したオリジナルのフレームワークを学ぶこともできるかもしれません。
ここまで、タイムマネジメント研修の必要性について解説いたしましたが、スムーズに研修を受けるためには、受講前にタイムマネジメントの考え方を知っておくことも大切です。本項では、タイムマネジメントの根本となる考え方について説明します。
多くの人が勘違いしがちですが、コントロールすべきは「時間」ではなく「仕事」です。加えて、「やる気」の管理の重要性も見過ごせません。タイムマネジメントに取り組むことで、突然、体の動きが早くなるわけではありません。やるべきことを見極め、効率的に仕事を進めていくことがタイムマネジメントです。
仕事を効率化するために、まず求められるのはタスク整理です。今、自分がどんなタスクをいくつ抱えているのか可視化して認識することが、タイムマネジメントのスタートラインです。
毎回決まって同じ内容、という仕事は滅多に存在しないでしょう。ルーティーンワークと呼ばれる仕事の中でも、日々わずかな変化があります。また、予期せず発生するような突発的な業務にも、慌てず対応できる術を身につけることが大切です。
前述の通り、タイムマネジメント研修を通して得られるのは「決められた時間内で成果を出す」ための考え方や意識、手法です。続いて、研修で学べる具体的な手法について詳しく解説していきます。
タイムマネジメント研修では、「こなす仕事」「考える仕事」「時間が拘束される仕事」といったように、仕事の性質に応じた優先順位のつけ方を学びます。タスクに優先順位をつけて取り組むことは、生産性に直結するため非常に重要ですが、効果的なやり方を知っている人は意外にも少ないものです。
まずは、自分が抱えている仕事の内容と納期、できれば目的までを把握します。それらの仕事を優先順位のフレームワークに落とし込み、「緊急性」「重要性」の2軸で捉えます。ただし、このフレームワークはあくまでも原則です。必要以上に固執せず、仕事の成果や自分の気持ち、コンディションなども勘案して、柔軟に運用することが大切です。
仕事のムダを省くには、「何がムダなのか」を知ることから始まります。一般的に、仕事のムダとは以下のような事柄を指します。
まずは、これらをのムダを少なくする取り組みに着手します。同時に、自分が担当している業務の目的を確認、フロー化し、本当に必要なものかを検討します。ただし、場当たり的な判断による選択は、かえって仕事にムラを生じさせるリスクがありますので、これまでやってきた業務をやめるかどうかを判断する、明確な軸を持っておくことも重要です。
判断材料としては、それをやめることで「顧客満足度、幸福度が下がるかどうか」「社員満足度、幸福度が下がるかどうか」「新たなリスクやトラブル発生につながるかどうか」などが挙げられます。
どのような役職・立場でも、仕事の見直しは必要ですので、マネジメント側であるプレイングマネージャーや管理職が先導すると上手くいきやすいでしょう。
単純に、同じ作業にかかる時間を少なくする取り組みも大切です。ツールを使う、タイピングスピードを速くするトレーニングを受けるなど、知識や努力によるカバーを試みます。
プレイングマネージャー・管理職は、「人員の適正配置」「労務管理」「行動管理」の観点から、リーダーとしてのタイムマネジメント手法を学ぶことが求められます。
特に中間管理職は、仕事が積み上がっていく一方で、部下の残業削減というプレッシャーもかかり、板挟みになっていることも多いでしょう。部下のスキルを把握する、進捗状況を正しく知る、仕事の割り振りを見直すなど、組織全体の労働生産性を向上させるためのスキルを、研修によって身につけます。これらのスキルは、業務の効率化だけでなく、部下の評価業務にも役立ちます。
営業職が高い成果を上げるためには、タイムマネジメントスキルを身につけることが重要です。効率的な行動を徹底し、顧客や見込み客との接触が増えれば、認知度の向上、契約獲得の可能性が高まります。
また、事前に商談のロールプレイを行い、個客が望んでいない内容になっていないか、過剰な説明をしていないかなどのムダを見つけて改善することも大切です。
タイムマネジメント研修を行っている業者は多く存在しますが、アイル・キャリアが実施しているタイムマネジメント研修には、さまざまなメリットや特徴があります。今回は、2つのコース例を詳しくご紹介します。
~アイスブレイク&自己紹介~ | |
1.タイムマネジメント上手になるために
| 講義 |
《実習1》個人ワーク/ペアワーク
| 実習 |
2.段取りとタイムマネジメントの基本
| 講義 |
《実習2》個人ワーク/ペアワーク
| 実習 |
《実習3》グループワーク(事前課題)
| 実習 |
3.さまざまな段取り術
| 講義 |
《実習4》振り返り/グループ内共有
| 実習 |
※まとめ、質疑応答、アンケート記入/研修終了 |
1)仕事の優先順位を重要度で決めることや,イレギュラーに備えてスケジュールを立てることなど,業務に活かせることが多い講義だった。講師の先生も明るく分かりやすかった。
2)グループワークで他の課の仕事を聞け,そこで気を付けていることの話を聞けたことは,自分の仕事以外の角度の視点もあって参考になった。また「時間短縮だけがタイムマネジメントではない」という冒頭の言葉が,自分の思っていたタイムマネジメントと異なっていたので印象に残っている。
3)自分がなぜ仕事が遅いのかがよく分かった。今後は段取りを決めて仕事を進めていきたいと思った。
1)仕事を効率的に進めるためのテクニックをたくさん学ぶことができた。業務改善をどうしたら良いか分からなかったが,少しの工夫で色々変えることができると気づくことができた。
2)スキマ時間を見つけて,効率よく仕事をしていきたいと感じた。効率よく行うことは,プライベートな時間が増えるという事を意識して,スケジュール,書類,データ整理に取り組んでいきたい。
3)段取りについては今まで取り組んできたやり方でよいと気づけた,あとは個人の時間意識,優先順位の捉え方,コスト意識の持ち方が大切だと感じた。
外部講師を招いて研修を実施する理由は、大きく分けて2つあります。
第一に、タイムマネジメントを得意としている、あるいは専門にしている外部講師は、知識のアップデートを常に行っています。自身の経験のみならず、他社・他者の事例も含めた知識を蓄積しているため、コンテンツに深さや広がりがあります。例えば、受講者からの質問に対しても、多角的な視点から回答できるでしょう。また、他の業界や職種での事例を知ることで、ブレイクスルーが生まれる可能性もあります。
第二に、実績や経験年数のある外部講師は、研修の場のファシリテートはもちろんのこと、学びのデザインについても深く理解していることが多く、研修効果の引き上げが期待できます。
社内に上記を満たす人材がいれば、外部講師に依頼する必要はありません。また、単にタイムマネジメントの知識を得るだけならば、ビジネス書や、eラーニングによる学習でも問題ないはずです。自社のリソース、投資とリターンの観点から外部講師に依頼するかどうかを判断するのがよいでしょう。
アイル・キャリアは、
世界最大の会員制人材開発団体ATDの会員企業です。
それゆえ、グローバルトレンドを盛り込んだコンテンツの提供が可能です。
また、ご要望に応じて、単発の研修の枠を超えたラーニングジャーニー、
ラーニングデザインをご提案、ご提供することも可能です。
研修後のゴールは、単なる行動変容でなく、
受講者が成果を生み出すための行動変容としています。
「どんな課題を解決するための、
どのような成果を生み出すための研修か」、
「そのために必要なパフォーマンスは何か」、
「どのようなプロセスが必要なのか」、
お客様のご要望を具体的に伺いながら、一緒に研修プログラムを構築します。
これにより、効果が実感しやすく、効果測定も容易な研修が実現できます。
アイル・キャリアは、人材育成、研修をワンストップソリューションで
提供し、受講者の学習効果、研修成果にコミットしています。
お客様との初回お打ち合わせ時から、講師が課題やご要望を伺い、
コンテンツ開発、教材作成、登壇まで一気通貫で担当いたします。
今回は、タイムマネジメント研修実施の目的や基本的な考え方、効果について詳しく解説いたしました。タイムマネジメントは、仕事や行動にかける時間の使い方を見直し、生産性の向上を目指すためのスキルです。組織全体の業務効率化を実現するには、スタッフ、プレイングマネージャー、管理職と、それぞれの役割や立場に合わせた適切な考え方、フレームワークなどを身につけることが重要です。
アイル・キャリアは、研修プログラムの構築、研修実施、フォローアップまでをワンストップで提供し、お客様の課題を解決いたします。働き方の多様化、変容が進む今、さらなる成果・業績アップを目指すためにも、タイムマネジメント研修の実施を検討してみてはいかがでしょうか。
国や自治体、企業の研修担当者の方向けに、
タイムマネジメント研修の意義や、詳細な内容について解説しています。
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株式会社アイル・キャリアは、お客様ごとに抱える課題や目標に合わせたオーダーメイドプログラムで”学び”を提供する研修会社です。官公庁・自治体から上場企業、医療法人や学校法人まで様々なお客様に対して、ご要望と時流をふまえた必要な”学び”を、新人から管理職まで幅広く提供し、組織の人材育成を支援しております。特徴としては、その研修で達成したい目標(行動変容)の先にある成果、パフォーマンス(行動変容の結果得らえるもの)までを意識してプログラムを作成することにあります。