キャリアデザインシートの書き方例 | 構成の方法やコツを解説

キャリアデザインシートの作成は、自己分析やキャリア目標を可視化するために大変役立ちます。しかし、キャリアデザインシートを書く際に「どのように書けばよいのかわからない…」と、迷っている方は多くいらっしゃいます。
本記事では、効果的なキャリアデザインシートの書き方、構成のポイントやコツを解説しています。キャリアデザインシートの書き方を覚えて今後の人生設計に活かしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

キャリアデザインシートの書き方の例

書き方

下記はキャリアデザインシートの書き方の例です。

経験した業務は? 採用・広報
この業務でやりがいを感じたことは? 応募者と良いコミュニケーションが取れて採用に繋がったこと
この業務で辛かったことは? 面接や内定の辞退が続いた時期があったこと。自分の努力でカバーできることではなかったため止められなかった。
得意な仕事は? プレゼンテーションが得意なので、会社説明会で自社の魅力を存分に学生に伝えることができたと思う。
どんな仕事をしてみたい? 採用計画・研修計画を立案する仕事
なぜその仕事をしたいのか? 採用担当の仕事にやりがいを感じており、適性もあると思う。そのため採用のプロフェッショナルになりたい。
希望するワークスタイルは? 正社員
専用のシートやノートに書く

キャリアデザインシートには特に決まったフォーマットはありませんが、下記の4つの項目を含めるようにしましょう。

  • 振り返り
  • 現状把握
  • 理想像の設定
  • 目標の設定

会社で用意されたシートがあるのであれば、それを活用してください。もし、自分で作成する場合は、厚生労働省のキャリアシートなどのインターネット上のテンプレートを参考にしながら作成してみましょう。書き方についても特に決まりはないため、文章や箇条書きなど自分にとって書きやすいスタイルで書いてください。

パソコンで作成する

キャリアデザインシートは、手書きでもパソコンでもどちらでも構いません。しかし、下記のようにパソコンで作成する方が、手書きで作成するよりもメリットが多いためおすすめです。

  • 表・グラフ・画像などのビジュアル要素を入れやすい
  • 後から情報を加筆・修正しやすい
  • 手書きよりも作成にかかる時間や労力を大幅に減らせる
  • 見やすくて分かりやすいシートを作成しやすい

キャリアデザインシートの構成の考え方

way to think

下記5つのステップを順々に踏みながら、キャリアデザインシートの構成を考えましょう。

1. 過去の経歴を振り返る

キャリアデザインシートを作成するにあたって、まずは過去の経歴を振り返りましょう。仕事だけに限らずこれまでも経験や人生全体を振り返って、力を入れてきたことや得意分野などを洗い出してください。
また、自分が好きなことや得意なことだけでなく、自分が苦手なことや好きでないことについても書き出すことを心がけましょう。自分の得手不得手や好き嫌いが明確になると、自分の適性や理想とする生き方や働き方がより明確になります。

2. 現状を把握する

次に現状を把握します。下記のようなことをキャリアデザインシートに書き出してみてください。

  • 現在満足できていないこと
  • 自分に足りないスキルや経験
  • 現在周囲から期待されていること
  • 現時点で身につけているスキルや経験

自分で自己分析をするだけでなく、ストレングスファインダーやキャリアアンカーなどのオンライン上の適性検査や心理テストを受けてみるのもおすすめです。

3. 他者からフィードバックをもらう

自分自身で振り返ったり考えたりするだけでなく、同僚や上司に自分に期待していることや自分のどのような部分を評価してくれているかを聞いてみることもおすすめです。第三者の意見を聞くことで、自分自身をより客観的に見つめ直せるようになります。また、自分が気づかなかった一面に気づくことができる可能性もあります。

4. なりたい未来像を定める

次になりたい未来像を定めます。これまでに振り返った過去や現在を踏まえて、「何にやりがいを感じるのか?」「どのような部分にこだわって仕事に取り組めるのか?」といった点について考えて、なりたい自分像を想像しながらシートに書き出してみましょう。
未来像を描く際には、結婚や転勤、引越しなどのライフイベントなどについても考慮するように心がけてください。ライフイベントを無視してキャリアデザインシートを作成すると、ライフイベントが発生するたびに改めてシートを書き直す必要が出てきてしまいます。

5. 実現可能なプロセスを考える

そしてゴールを定めたら、それを実現するためのプロセスについて考えましょう。スキルが不足しているのであれば能力開発をするための計画を、知識が不十分である場合は学習計画をといった具合です。
また、そのゴールが実際に実現できるものであるのかを検証してください。現実的に実行可能なプランであることが重要です。

キャリアプランが思い浮かばないときの解決法

solution

キャリアデザインシートの書き方の構成自体は理解できても、上手に落とし込めないと悩む人も少なくありません。その際には下記3つを行うことがおすすめです。

1. ロールモデルを見つける

「ロールモデル」とは自分の行動や考え方など、キャリアを形成していく上でお手本になる人物のことを指します。ロールモデルがいることで、自分が目指すべき方向性や理想像がより鮮明なものになり、スムーズにキャリアデザインシートが書けるようになるでしょう。先輩や上司など自分にとって身近な人の中からロールモデルを見つけると、その人に近づくために何をやれば良いのか具体的に思い浮かべられるため、実現性が高くなります。

2. キャリアアップの事例を参考にする

自社が公開しているキャリアパスや、興味関心がある仕事や企業のキャリアパスなどを調べてそれらを参考にするのもおすすめです。人事面談が定期的に行われている場合は、社内における自分と同じ職種のキャリアパスの事例について尋ねてみるのも1つの手でしょう。実際の事例を目の当たりにすることで、自分のキャリアデザインがより明確なものに変わり、さらにはより実現性の高いプランを作成できるようになるはずです。

3. キャリアアドバイザーに相談する

キャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントなどの専門家に頼るのもおすすめです。社内にキャリアについて相談できる部署があれば、積極的に利用しましょう。第三者からの客観的な意見であるだけでなく、専門家ならではの視点が入った意見であるため大変参考になるでしょう。

キャリアデザインシートの作成は意味がないのか?

キャリアデザインシートの作成を意味がないと考える人もいますが、下記3つの理由より、キャリアデザインの設計は有意義で必要性が高いと言えます。

  • VUCAの時代において、社会情勢の変化に柔軟に対応しやすくなる
  • 実力主義や成果主義に転換しつつある日本企業で必要とされる人材になれる
  • 意義のある転職ができる

このようにキャリアデザインシートの作成はメリットが数多くあり、実際に良い結果につながっている人も数多くいるため、決して無意味なことではありません。もっとも大切なことは、シートを書くということにあるのではなく、内省して書くというプロセスの中で自己理解を深め、外部環境や周囲の期待について感度を上げることにあります。一見、自分のことを知っているようで、実は、意外と知らないし、分かっていないものなのです。

まとめ

この記事ではキャリアデザインシートの書き方や構成方法について、例を示しながら説明しました。キャリアデザインシートを書く時は、じっくりと考える時間を取りましょう。キャリアと聞くと、「仕事」や「経歴」を思い浮かべる人が多いようですが、キャリアデザインシート作成においては、職歴や資格だけでなく人生そのものについて考える必要があります。また、キャリアデザインシートは1度作成したら終わりというものではなく、計画通りに進んでいるか確認したり、ライフイベントなどによって変更や修正を加えたりして定期的にチェックすることが大切です。
今回紹介した内容を参考にしながら、自分のキャリアデザインシートを完成させましょう。

この記事の監修者

五十嵐康雄

代表取締役社長

五十嵐 康雄

株式会社アイルキャリアは、お客様ごとに抱える課題や目標に合わせたオーダーメイドプログラムで”学び”を提供する研修会社です。官公庁・自治体から上場企業、医療法人や学校法人まで様々なお客様に対して、ご要望と時流をふまえた必要な”学び”を、新人から管理職まで幅広く提供し、組織の人材育成を支援しております。特徴としては、その研修で達成したい目標(行動変容)の先にある成果、パフォーマンス(行動変容の結果得らえるもの)までを意識してプログラムを作成することにあります。 

代表取締役社長

五十嵐 康雄

株式会社アイルキャリアはお客様ごとに抱える課題や目標に合わせたオーダーメイド研修で”学び”を提供する研修会社です。

官公庁・自治体から上場企業、医療法人や学校法人まで業界業種・官民問わず様々なお客様に対して、ご要望と時流をふまえた上で、必要な”学び”を新人から管理職まで幅広く人材育成を支援しております。

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