タイムパフォーマンス(タイパ)とは、時間対効果を意味する「コスパ」(費用対効果)の派生語です。働き方改革により、残業削減の流れが生まれつつある現代においては、「タイパ」を意識しながら仕事を進める必要があります。そこで、本記事では、国や自治体、企業の研修担当者の方向けに、タイムパフォーマンスを向上させる研修の意義や、詳細な内容について解説します。
Z世代と呼ばれる若年層は、特にタイパを重視する傾向が強いと言われています。その背景にあるのが、インターネットの普及とデジタルツール・デジタルサービスの浸透です。
特に、SNSにおけるトレンドの変化は目まぐるしく、最新の情報を追い続けるためには、スピード感をもって情報をキャッチし、いち早くコンテンツを体験する必要があります。例えば、動画を倍速視聴・スキップ視聴する、映画をネタバレ視聴する、15~60秒程度のショート動画が人気を集めるなど、従来とは異なるコンテンツの消費スタイルも広がっています。
また、時間をより合理的・効率的に使おうとする意識が芽生えたことにより、出前サービス(Uber Eatsなど)の利用、ロボット掃除機の導入など、デジタルコンテンツ以外での人々の行動・価値観も変容しつつあります。
供給側である企業も、タイパニーズに即した商品・サービスの開発・展開を進めています。
タイムマネジメントは、「時間をマネジメントする」というよりは、「仕事の手順やプロセスを上手に管理する」スキルであり、「限られた時間をより良いものにする」ための手法といえます。これは、「時間対効果(タイパ)の向上」にも直結します。
前項で解説した「プライベートにおけるタイパ」には、費用を度外視して時間を優先するニュアンスがありました。一方タイムマネジメントは、ビジネスにおける効率化を主眼においているため、「コスパ」と「タイパ」の両立を重視しています。
タイムマネジメント研修の到達目標は、「決められた時間内で成果を出す」「時間あたりの生産性を高める」ための考え方や意識の習得です。
あくまでも「タイパ」は手段であり、経済状況を無視したタクシー利用や、出前サービスの多用など、時間短縮を最終目的としてはなりません。研修を通して、効率化を図るべきもの・図ってはいけないものを正しく理解することも大切です。
研修の受講により、タイパ向上に関わるさまざまな効果が得られるでしょう。以下に、いくつかの例をご紹介します。
【例】
タイムマネジメント研修では、講義のみならず、受講者参加型のワークも行います。個人・グループでのワーク活動を通して、主体的に学びを深めていきます。実際に研修内で行われているワークの一部をご紹介します。
【ワーク例】
続いて、実際の研修プログラムについて掘り下げていきます。各研修の流れと併せて、リアルとオンラインでの違いについてもご紹介します。
研修では、タイパ向上だけでなく、仕事の管理方法やフレームワーク、やる気(モチベーション)管理の方法なども身につけます。限られた時間内で最大限の成果を出せるよう、効率的な仕事の進め方をさまざまな観点から学びます。
まずは、アイル・キャリアが実施しているタイムマネジメント研修の流れをご紹介します。
今回は、標準1日コースのプログラムを例として挙げますが、ご要望に合わせて研修内容の追加・変更も可能です。
~アイスブレイク&自己紹介~ | |
1.タイムマネジメント上手になるために
| 講義 |
《実習1》個人ワーク/ペアワーク
| 実習 |
2.段取りとタイムマネジメントの基本
| 講義 |
《実習2》個人ワーク/ペアワーク
| 実習 |
《実習3》グループワーク(事前課題)
| 実習 |
3.さまざまな段取り術
| 講義 |
《実習4》振り返り/グループ内共有
| 実習 |
※まとめ、質疑応答、アンケート記入/研修終了 |
オンライン研修では、事前課題としてeラーニング視聴などを設定しています。事前課題からの学びのシェアやグループワーク、できる先輩との対談といったプログラムを設け、集合研修以上に集中力が持続するような構成となっています。
~アイスブレイク&自己紹介~ |
1.事前課題(動画視聴)の振り返り ● 事前課題の振り返りをグループ・全体で共有 |
《実習1》グループワーク ● テーマ「駅弁を作ろう!」 ● 指定された駅の中から1つ駅を選択し、駅弁を企画 ● 企画した駅弁を相互にプレゼン ● プロセスの振り返り・印象交換 ● グループ・全体で共有 |
2.事前課題(時間の使い方の見える化)の振り返り ● 事前課題の振り返りをグループ・全体で共有 |
《実習2》グループワーク ● テーマ「それ先輩に聞いてみよう。」 ● 各グループの先輩社員1人ずつが発表 ● 仕事の段取り、コミュニケーションなどのポイントをシェア ● パネルディスカッション・質疑応答 |
3.研修全体の振り返り ● 職場実践・行動計画をグループ・全体でシェア ● 質疑応答 |
4.終了 |
「時間は有限」「時間の使い方は、人生の質を変える、キャリアを変える」
タイムマネジメントの本質は、「何のためにタイムマネジメントするのか?」をハッキリさせることです。「行き過ぎた効率化がもたらす弊害にも目を向ける重要性」にも触れつつ、タイムマネジメントの考え方、方法論、コツを紹介しています。
リモートで会社を経営しつつ、国内外を問わず年間200日以上のセミナー登壇を続ける。多忙な日常の中、「仕事と家庭、プライベートのバランスをどう取っていくのか」といった課題に対して、タイムマネジメントの重要性を実感するようになり探求、今日に至る。趣味は水泳、ランニング、ストレッチ、ヨガ、筋トレ、サーフィンなど。
【講師略歴】
2006年 株式会社アイル・キャリアを創業
2013年 海外(ベトナム)でセミナー講師デビュー
2019年 出版『稼げる講師、稼げない講師どこが違うか』(あさ出版)
2020年 東洋経済オンライン記事が週間アクセス数ランキング第一位を獲得
2021 年 世界最大の会員制人材開発組織 ATDジャパンサミットにて、DX スタディグループのメンバーとして登壇
2022 年 世界最大の会員制人材開発組織 ATD ジャパンサミットにて、DX スタディグループのメンバーとして登壇
働き方改革などの流れを受け、タイパの向上は多くの企業にとって重要な課題といえます。しかし、ただ時間を短縮するだけではタイパ向上とは言い難いでしょう。限られた時間で最大限の成果を出す、という意識のもと、さまざまな観点から仕事の効率化を目指す必要があります。
アイル・キャリアは、研修プログラムの構築、研修実施、効果測定までをワンストップで提供し、お客様の課題を解決いたします。組織全体の生産性アップ、業務効率化の実現に向けて、タイムマネジメント研修の実施を検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社アイル・キャリアは、お客様ごとに抱える課題や目標に合わせたオーダーメイドプログラムで”学び”を提供する研修会社です。官公庁・自治体から上場企業、医療法人や学校法人まで様々なお客様に対して、ご要望と時流をふまえた必要な”学び”を、新人から管理職まで幅広く提供し、組織の人材育成を支援しております。特徴としては、その研修で達成したい目標(行動変容)の先にある成果、パフォーマンス(行動変容の結果得らえるもの)までを意識してプログラムを作成することにあります。