キャリアの定義とは?】
従業員のキャリア開発が必要な理由を解説

「キャリア」と聞くと、職歴や経歴を思い浮かべる方が多いかと思いますが、時代とともに意味合いも変化し、現在では、仕事だけに限らず、人生そのものをキャリアと定義することも少なくありません。もし、組織内で「従業員のキャリア開発」をしようと考える際は、キャリアの定義を一度社内で確認しておくと良いでしょう。本記事ではキャリアの定義や考え方、従業員のキャリア開発のポイントなどを解説します。

キャリアの定義

career up

キャリアという言葉には、一般的なイメージよりも広い意味があります。平成14年に厚生労働省が発表した「『キャリア形成を支援する労働市場政策研究会』報告書について」によると、キャリアとは「過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖」であるとされています。
つまり、キャリアは人がたどる行路やその足跡・経路・遍歴のことを意味し、職歴に限らずその人の生涯における意味や足跡を含む概念であるということです。

キャリアを冠する4つの用語

career

「キャリア」を冠する用語は数多くありますが、特に重要な下記の4つの用語を紹介します。

キャリアデザイン

「キャリアデザイン」とは、将来の理想の姿と自己実現を追求するための計画や、人生を構築して現状を具現化していくプロセスのことを指します。従来は、組織主導型であったものが、現在は、個人主導型で自らが主体となって自らのキャリアについて考える点がポイントです。
年功序列、終身雇用制度から、成果型の評価制度やジョブ型雇用システムを採用する企業の増加によって、勤続年数よりもその人が持つスキルや経験がより重視されるようになりました。このような背景から一人ひとりが自分自身のキャリアをデザインすることの重要性が高まっています。

キャリアビジョン

「キャリアビジョン」とは職業生活における「なりたい姿」や理想のことです。この場合のキャリアは、一般的に考えられているキャリアと同義で「職務経験」や「経歴」を指しています。そして、ビジョンとは「将来像」や「見通し」を意味する英語です。
近年、キャリアデザインと同様に、キャリアビジョンをもつことの重要性も高まっています。労働市場や雇用環境の変化によって、自らが望むキャリアを実現するためには、理想とするキャリアや将来像を自ら主体的に思い描き、実際に行動に移すことが大切になってきているからです。

キャリアプラン

「キャリアプラン」とは、将来の経歴を戦略的に計画するプロセスのことです。自らの理想的な未来をクリアにして、必要な経験やスキルを把握します。そして、その経験やスキルを習得するために具体的な行動計画を策定して、それを実現するためのステップを考えます。

キャリアパス

「キャリアパス」とは、組織でのキャリアの積み方や手順を示したものをいいます。自らが目指す仕事をしたり、自らが希望するポジションについたりするためにはどのようなスキルや経験が必要で、どのような順番で習得していくべきか分かりやすく明示されていることが一般的です。キャリアパス制度がしっかりと構築されていると昇進する条件や基準がクリアになるため、従業員のモチベーションが上がりやすくなるとされています。

キャリア開発とは?

LEVEL UP

「キャリア開発」とは、企業が従業員のキャリアを中長期的な視点で捉えて、スキルや能力を計画的に育成する取り組みのことをいいます。研修や資格取得支援などが具体例として挙げられます。下記のような社会背景によって、従業員一人ひとりが高い専門性を持つことの重要性が高まっています。

  • 終身雇用制度や年功序列の仕組みの崩壊
  • 少子高齢化に伴う労働人口の減少
  • IT技術の発展
  • ジョブ型雇用や成果主義の浸透

企業は、それぞれの従業員の適性や能力に合ったキャリア形成を支援することが必要とされてきています。また、従業員は会社からのサポートや制度を積極的に活用して、自らスキルを向上させ、自己実現を達成できるように努めることが求められてきています。

キャリア開発が必要な理由

理由

本記事では、キャリア開発が必要な理由、メリットについて2つピックアップして解説します。

業務の生産性を上げられる

これからのキャリア開発は、従業員ひとり一人としっかりと向き合って話し合うことが必要です。従業員は自分の悩みや不安をしっかりと聞いてもらえると、「会社は自分の将来のことを考えてくれている」、「会社は自分を大切な存在として扱ってくれている」と感じ、エンゲージメントも向上します。そして、それは組織全体を活性化し、最終的には企業の業績や企業価値の向上に繋がることにもなるはずです。

適材適所の人材活用ができる

キャリア開発は、従業員が自分自身では気づけなかった「自分の強み」を発見する可能性もあります。たとえば、営業で成績が振るわなかった従業員が、デジタル分野で専門性を身につけることができた、という具合です。キャリア開発を通じて、従業員一人ひとりの強み、スキル、経験などをしっかり把握した上で適材適所に人材を配置することができると、従業員の仕事に対する満足度が向上して離職率の低下にもつながるでしょう。

キャリア開発のポイント

POINT

最後に、企業が従業員に対してキャリア開発をする際に気をつけるべきポイントについて解説します。

ポジティブな発想を持たせる

「キャリアアップ」や「キャリア開発」という言葉を聞いて、「難しそう」「大変そう」とネガティブなイメージを抱いて尻込みしてしまう従業員がいるかもしれません。従業員のキャリア開発をする際には初期の段階からネガティブなイメージを払拭し、できるだけポジティブな考え方を持ってもらうようにすることが大切です。
そのためには、いきなり大きな目標やゴールを設定するのではなく、それを達成するための小さなタスクや目標を複数立て、小さな成功体験を積み重ねていけるよう導いていくことをおすすめします。

従業員を主体として考える

従業員のキャリア開発を進める際には、「自社が求めている人材」や「今後自社の事業に必要な能力」などを押し付けられているというイメージをもたれないようにすることが重要です。従業員の意見も聞きながら、彼らが自発的に自己実現を行うようにサポートをすることがキャリア開発における企業の役割であることを忘れないようにしましょう。
また、社内外のキャリアコンサルタントなどの専門家に相談できるような環境を整備しておくと、冷静かつ客観的なアドバイスやサポートがもらえる可能性が高いのでおすすめです。

まとめ

この記事では、「キャリア」の定義に始まり、「キャリア」関連用語の定義、そしてキャリア開発の重要性や注意点など、「キャリア」について解説してきました。近年、社会のさまざま変化によって、従業員ひとり一人が自身のキャリア形成について考え、それを実現するために実際に行動することが求められています。従業員のキャリア開発を検討している組織は、もう一度「キャリア」や関連用語の定義を踏まえた上で、従業員のキャリア形成をサポートできるような体制作りについて考えてみてください。

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この記事の監修者

代表取締役社長

五十嵐 康雄

株式会社アイルキャリアは、お客様ごとに抱える課題や目標に合わせたオーダーメイドプログラムで”学び”を提供する研修会社です。官公庁・自治体から上場企業、医療法人や学校法人まで様々なお客様に対して、ご要望と時流をふまえた必要な”学び”を、新人から管理職まで幅広く提供し、組織の人材育成を支援しております。特徴としては、その研修で達成したい目標(行動変容)の先にある成果、パフォーマンス(行動変容の結果得らえるもの)までを意識してプログラムを作成することにあります。 

代表取締役社長

五十嵐 康雄

株式会社アイルキャリアはお客様ごとに抱える課題や目標に合わせたオーダーメイド研修で”学び”を提供する研修会社です。

官公庁・自治体から上場企業、医療法人や学校法人まで業界業種・官民問わず様々なお客様に対して、ご要望と時流をふまえた上で、必要な”学び”を新人から管理職まで幅広く人材育成を支援しております。

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